彫刻部出品作家の言葉


神山拓也

かみやま たくや

作品名「heaps on heaps」
奨励賞

作家の言葉

私はずっと小さな世界に興味を持っていました。
なぜ小さな世界に興味を持っているのかというと普段何気なく歩いている道や脇に流れる小川、目の前の空気中には色んな見えない世界が隠れています。
少し意識するだけで面白いものや綺麗なもの、気持ち悪いものなど様々なこと教えてくれ、普段見ているものだけが世界ではないと改めて実感できます。
そして今まで見てきた世界とはまるで別世界のものが広がっているのを 自分の目で観察するとモノの見え方が変わり意識していなかったモノが見えてくる様になります。
日々の中で発見の感動は意識していないだけで難しいことではありません。
誰もが感じる事は異なるが、誰もが感じる事が出来る。意外に身近な所でそのきっかけは落ちているのです。
今回はその中で菌類に着目し制作しました。
なぜ粘菌を選んだかと言うと粘菌というのはちょっとした森林や街路樹、花壇などすぐ近くにいる存在ですが見ようとしないとなかなか気付かないものです。
また粘菌はその不思議な造形や色に自然に反応してしまう魅力があるからです。
それを少しでも感じてもらえたらと思っています。


竹内七月姫

たけうち なつき

作品名「UNMANNED(3)」
第70回記念行動美術賞 会友推挙

作家の言葉

今回は岩をモチーフに、温かみのあるすこし不思議な空気感を持つ作品を目指しました。金属を錆びさせることで特有の硬さや冷たさを柔らかなイメージに変えていきます。何のために存在するのか、秘密基地や岩山など好きなように想像して楽しんでいただけると嬉しいです。


内藤早良

ないとう そら

作品名「flexibility」
新人賞 会友推挙

作家の言葉

自然界における生物や鉱物に興味があり、特に単細胞生物や微生物、クラゲやヒトデのような不思議な変化を持つ生物に魅力を感じています。金属という冷たく固いイメージの素材をいかに有機的で自分らしい作品にするか日々模索しています。


三科友里

みしな ゆり

作品名 「礁」

作家の言葉

金属を溶接したときに出来る跡や叩いたり炙ったりしたときの表情に魅了され、金属彫刻を始めました。
秩序立った生物の模様や構造に惹かれ、形の繰り返しで出来る形をテーマに制作をしています。今回の作品は鉄パイプの集合体で珊瑚礁のような形をイメージして作りました。全体の繰り返しのリズムによって、穴の形が変化しているところが見所です!


中島由佳

なかじま ゆか

作品名「Circulation」

作家の言葉

Circulation=循環
私たちの日常生活の様々な関わりは永遠に続きます。
黒皮と溶接痕を残した箱状のかたちは現代社会、明るく磨かれたパイプは
そこに生きている人々を表しています。


今村玄一

いまむら つねかず

作品名「Twist -eternal-」
会友賞

作家の言葉

作品を制作する時は、金属とは違う紙などの素材を使って形を考え出します。
私の創作活動は違う素材で作ったものを金属に置き換えていく、これこそが原点です。
今回の作品は1枚の鉄板から加工した様子を形にしました。


阿南有希

あなん ゆうき

作品名「落日」
新人賞

作家の言葉

銅を熱することで出てくる赤色の酸化皮膜を用いて作品を制作しています。
落ちゆく夕日の重さや、雲や山などの侘しげな情景を表現しました。


鈴木弦人

すずきげんと

作品名「 苗」
奨励賞

作家の言葉

僕はいつも金属を鍛造して有機的な形の作品を作っています。今回は植物をモチーフに苗が苗床を求めてさまよい歩いてる様をイメージして表現しました。


寺田彩乃

てらだ あやの

作品名「生と死の輪」

作家の言葉

私は、大学在学時から、和紙を素材に使い、制作してきました。
そして、鍾乳洞やサンゴの骨格など固くても有機的な形をしたものや、同じ形が一つもないようにみえても規則性のある形の集まりのもののもつ、繊細さに惹かれそれらをモチーフに制作してきました。
今回の作品も同様に鍾乳洞のような有機的な岩のイメージで制作しています。
素材は和紙でできた糸を編んでいく技法を使っています。
和紙の糸は脆いのですが、それらが集まって結び合う事で一つの形が作られます。そして、形は無限に変化できます。
その様子が、生まれては必ず死に行く、しかし途切れる事のなく変化し続ける生命の輪廻の輪のようなので 『生と死の輪』という題にしました。
今回、行動展に出展するにあたり、久しぶりに作品を作り、作品をつくる事の楽しさを改めて実感できたので これからも行動展に限らず機会があれば制作し、発表できたらと思います。